影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか紹介・概要

影響力の武器ヘッダー

著者はアリゾナ州立大学心理学部名誉教授であるロバート・B・チャルディーニ氏。人間と社会の関係性を見つめ、紐解いてきた彼の研究成果は研究対象は社会的影響過程、援助行動、社会的規範などの幅広い業界をリードしてきました。

しかし、このような立派な経歴を持つ著者でも「騙されることがある」と言うのです。どれだけ立派な経歴を持っていても「人」であることには変わりありませんが、あなたにも「買う予定が無かった物を購入してしまった」「無意識で行動してて、後で振り返って後悔」という経験はあるでしょう。

本書ではこのような経験「なぜ、人は騙されるのか」をテーマに人が動かれる原因や根拠を突き詰めていく内容となります。

しかし、世の中には似たようなビジネス本が溢れていることは確か。「人を騙す方法を紹介する本」「心理学を用いた実例本」「著名人が実践しているビジネス自伝本」など類似本を上げればキリがありません。
ですが、どうしてこの「影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか」だけが重版を経て読まれ続けられるのか。

秘密の鍵はテーマを紐解くための根拠となる、実験データから裏付けられた事実の読ませ方・見せ方が握っています。極力学術的に難しい記載は省くことで、幅広い層の読者にも内容が伝わるように工夫がされており、心理学の知識が全く無い初心でも読み進めることができます。

単純な刺激による行動パターンを悪用方法などの基本的な部分から、集団心理が間違った方向に進んだ場合に人が誤った行動をしてしまう事例など、本来であれば素人が読むのが難しい事例も最後まで読み解くことができるでしょう。

紹介本を通読することで学べること、勉強になること

学べるのは現代社会と人間の結びつきと正しい在り方。あなたが情報操作の被害者にならないために。

日常的に読み込む情報量が増え、時代の移り変わりのスピードが速い現代社会において、人間は大小問わず迅速な決断を日々求められています。スマホで商品を購入する、他人におすすめされて商品を購入する、日常に溢れる様々なシーンで無意識ですが決断をしています。

決断をすること増えた社会、人々の決断をコントロールする方法や技法が重要視されていることは疑う余地もないでしょう。しかし、人の決断をコントロールする技法は悪用ができる、本書からはそのカラクリも読み取ることができます。

根拠のある実験データや考察を元に解説された例題の数々は、読者自身を被害者にさせないと同時に情報との正しい付き合い方を学べます。

紹介本を買うべき人、おすすめできる人

営業職の方はもちろん、マーケティング職、人に物を売るという職業の方におすすめの本書。

普段私たちは商品を購入する際、何かの契約を結ぶ際、その商品金額や契約内容に問わず何かしらの決断を行っています。恐ろしいのは決断する側の意識はコントロール可能で、無意識的に行うことができる事実があること。

決断する側が得る情報を巧みに操作して、意識の方向を調整できる技法は、ビジネスを快適に進めるための助けになるのは間違いありません。

影響力の武器 なぜ、人は動かされるのかを読んだ人の感想・レビュー

影響力の武器レビュー画像

初心者でも読み進められる心理学の本

本書の題名が「影響力の武器」だったので、てっきり営業職やマーケティング職の人向けに技術を授けるような内容なのかと思っていました。しかし、実際に読んでみると解りますが「心理学を利用したこんな騙しのテクニックがあるから気をつけようね」と言うようなニュアンスでした。

人が影響を受ける心理学的テクニックに関しての事例が多く紹介されており、新興宗教にハマる心理状況まで解説されていました。また、人間に影響する心理トリガーが世界中の商売をどれだけ回しているのかを考えさせてくれる本でもあると感じてます。

内容の面白さもさることながら、読み手に対して親切というか誠実な印象を受けました。行動心理の裏側を見せてあげようとする著者の気持ちが伺える良い本です。

20代:会社員 男性
買い物や契約時に役に立つ、騙されないための技術

アメリカの心理学者が科学的な研究をもとに、人はどのような時に購買意欲を高めるのかが、豊富な実例を提示しながら分かりやすく説明されています。

私達は情報過多の現代社会を効率的に生きるために、自動的な反応を利用しています。もちろん反応は日常生活の中、物を買うときやサービスを契約するときにも起こっています。このような社会であれば当然、物を売りたい企業側としては人が持つ反応を利用して商品を売り込んできます。

これまで、買い物をしている時「販売員って、なんでいつも同じようにアピールするのか?」と不思議でしたが、「こういうことだったんだ!」と理解することができたような気がします。

騙されないために読んでおくこと以外にも、流通業やサービス業に携わる人にもお勧めの1冊だと思います。

50代:会社員 男性
人を動かす見えない力を色んな事例を交えて学べる

本書に書かれている6つの原理(返報性、コミットメントと一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性)各原理の中身、利用法、対処法が解説されています。

本書を通読することで、人を動かす影響力について学ぶと同時に現代社会には誘惑が溢れていることに気付かされました。影響力の武器は他人に対して使うためには訓練が必要ですが、数多の誘惑から自身を守る武器としては今からでも使えそうです。

比較的分厚い心理学の本だったので、素人が読むのには少し不安でしたが、日常生活に溢れるシーンを交えて解説が行われていくので問題無く読み終えることができました。大学生ぐらいの年齢であれば、飽きずに読み進められると思います。

40代:女性 会社員
大学時代に担当教授からのおすすめで購入

大学時代に所属していたゼミの担当教授からおすすめされて本書を購入。大学生にとっては安くはない価格ではありましたが、卒論のためだけではなくこれからの人生にもタイトル通り影響を与えてくれる存在になってくれるのではないかという期待も込めて購入しました。

大学を卒業して社会に出た後でも、この本に書かれていた「返報性のルール」をはじめとしたさまざまな理論は組織の中での振る舞い方は今でも参考にしています。

この本を読んで一番印象に残っているのは、人が行動を起こすときにどういったものに左右されるのかを実生活の中で登場する場面や具体例に挙げて書かれていることです。そのおかげで読み手側も例示されている内容を想像しやすいため、書かれている内容を早く理解できると思います。

20代:会社員 男性
現代社会において、知っておくべき6つの心理学的行動が押さえられている

本書を読むと交渉や集客の基礎知識を習得でき、悪徳商法に騙されないコツもわかる、全体の印象としては分厚い心理学辞典のような感じがあるものの、難しさの中に面白さもありました。

生活の中で詐欺まではいかなくても「つい買ってしまう」「つい行ってしまう」などの身近な出来事をテーマに様々なエピソードや実例を交えて紐解かれるので、影響力によってどうやって人が動かされるのかを知るきっかけを掴みやすいはずです。

これから、心理学を学びたいと思っている方には絶対的に読むことをおすすめできる本です。

30代:女性 会社員

目には見えない人を動かす影響力を武器として身に付ける

影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか [紙面]

世界中で読み継がれロングセラーとして重版を重ね続ける本書。心理学を元に人の行動を紐解いていくビジネス本は世界中で無数に出版されてきましたが、その中で売れ続ける力を持つ本はひと握りです。

そんなひと握りの力を持つ「影響力の武器」は本物の技術が記載されている本であることは間違いありません。さらに、本書に記載されている技術も然ることながら、心理学については素人でも内容を理解しながら読み進められる工夫がされている点です。

心理学はどうしても学術書的な硬い内容になってしまうカテゴリー、どれだけ重要な技術が学べるとしても多くの人が敬遠してしまうはず。しかし、カテゴリーの弱点を克服することで著者の思いが伝わりやすく、読者側も難しい内容を噛み砕いて理解できる本となっています。

影響力という人の行動を左右できる見えない力を学べる本書。身につけることで恋愛から日常のワンシーン、ビジネスの現場など幅広く重宝するスキルであることは間違いありません。

ぜひ、「影響力の武器」を通して人を動かす影響力について学んでみてはいかがでしょうか。

おすすめの記事